昭和34年(1959)10月(6号)


【裏面】

卒業生諸君へ

古賀米吉    

 卒業生諸君、お元気ですか。御活躍のごようすを耳にする毎に、かげながら喜んでいます。おついでがありましたら、学校にお立ち寄り下さい。駅から学校への道路も、ほとんど舗装され、人家のまばらだったところも、今はにぎやかな通りになりました。学校創立の時建てたお粗末な3教室は、東方に移築し、東館と称して保存しています。翌年建てました本館2階建てでは、近く鉄筋3階に建てかえるつもりです。古い校舎は次々に建てかわりますから、今のうちに思い出多い校舎を見ておいてもらいたいものです。
 人間もだんだん古くなって、私などあと2年で古来稀れといわれる70になります。もっとも70も近来多いそうで、その近多におだてられたわけでもありませんが、この夏篭球部について熊本まで行ってきました。年寄の冷や水といって笑われています。
 卒業生諸君、どうぞお大事に。


昭和30年頃の図書館と木造2階建ての本館

古賀学園長の無形の胸像
  職員の研究基金として

 学園後援会では古賀校長の胸像を建設することになっていましたが、先生は『まだ仕事が山程残っているから』と固辞され、その代り胸像の費用を積立てそこから生ずる利子を職員の研究奨学金をあてようという提案を出されました。この企画に対して同窓会からも金30万円を拠出し共賛の意をあらわすことにしました。

 ◎母校市川学園だより

現況 高校17級 中学14級
生徒総数 約2000名 職員   名

○34年度学園入試
高校 志願者868  募集人員150  倍率5.8倍
中学 志願者509  募集人員250  倍率2.0倍
高校中学とも昨年の4.6、1.2倍をしのぎ、ますます窄き門徒なってきました。

○石原利朗先生(理科)御退職
 30年より本校で教鞭をとられた先生は去る3月実業界に転出され元気に活躍されています。

○最近ピアノ及びテープコーダを更にもう1台づつ購入、昨年買ったHi、Fi電蓄及びLPレコード124枚と共に聴覚教育は一段と充実しました。

◎在校生の活躍

篭球部 8月中旬熊本における全日本高校選手権大会に出場、校長御夫妻も応援に出かけられたが、準決勝で惜敗。10月の国体には関東代表として出場決定。
相撲部も十和田で開かれたインターハイに8月上旬出場した。
陸上競技部の中学生1名が県代表として五輪大会に備え、中学校陸上競技教室に参加天才教育を受けている。
理科部では市川市の海岸線の研究が県予選で最優秀となり、昨年文化の日に全日本学生科学賞に入選した。今年も引続き郷土の地質の研究に力を入れている。

○同窓生を訪ねて金品を詐取していた男(卒業生に非ず)が最近捕まりましたが、同窓会として集金に伺うことはありませんので充分御用心下さい。


【表面】

◎道路舗装完成(市川学園通り)

学園前の道路は最近舗装され、学園附近を市川駅発の市内循環バスが通っています。古八幡下車5分です。
秋の諸行事には諸兄御誘い合せの上是非御来校下さい。

◎母校諸行事

体育大会(雨天順延) 10月4日(日)
研究発表会・展覧会  10月30日(金)